不登校から社長へ。株式会社カーライフナビ菅澤直樹氏に独占インタビュー

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菅澤直樹(すがさわなおき) 株式会社カーライフナビ代表取締役

千葉県出身。中学時代に不登校を経験し、卒業後は飲食店等でアルバイトを重ねる。18歳で成田空港に就職し、6年間勤めたのちに、自動車販売業界へ。約一年間、カーショップで経験を積み、2010年に独立。現在は株式会社カーライフナビの代表取締役を務める。不登校時代に救われた動物への恩返しとして、動物愛護活動にも尽力する。社長YouTuberとしても活動中。





今回ご紹介するのは、千葉県八街市で株式会社カーライフナビを経営する菅澤直樹氏だ。

菅澤氏は中学時代に2年半不登校を経験。卒業後は様々なアルバイトを積み、のちにカーショップで独立を果たした。



不登校児は将来を悲観してしまうことも多いが、菅澤氏は不登校から社長へと成り上がった。

そんな菅澤氏に不登校の経験談や、起業した経緯を伺うべく、カーライフナビの最寄り駅、千葉県の八街駅へと向かった。



出迎えてくれたのはカーライフナビのケンタ氏。左ハンドルの車に、手慣れた手つきで会社へと案内する。



オフィスへお邪魔すると、早速目に飛び込んできたのはインコやお猿などの動物達だ。

菅澤氏の動物に対する愛情が感じられる。



落ち着いたオフィスでケンタ氏と雑談を交わしていると、仕事終わりの菅澤直樹氏が登場。

自宅にお招きいただき、不登校の経験から現在に至るまでの過程を伺った。

不登校になった経緯

YUUKI:菅澤さんが不登校になった経緯を教えてください。

菅澤:元々小学校の頃からあまり友達がいるタイプではありませんでした。

いわゆる「内弁慶」ってやつです。進学した中学には、小学校の同級生も多くいて問題なく通えていましたが、夏休み入る前に家族で新居に引っ越しが決まり、転校することになりました。

転校先のクラスでは既に友達の輪が出来上がっており、内弁慶な私は徐々にクラスに馴染めなくなって、学校に行くのが嫌になりました。朝起きて学校に向かおうとすると、ストレスでお腹が痛くなるんですね。ご飯を食べれなくて拒食症になってしまったこともあります。身体が登校を拒否していて。



YUUKI:病院には行かれたんですか?

菅澤:病院に行くなんていう発想すらありませんでしたね。当時は精神疾患やいじめ、不登校の問題が表面化されておらず、そんなのあって当たり前という時代でした。

今では、親がモンスターペアレントとか呼ばれて、学校側が親への対応に困るような時代じゃないですか。でも当時はそんな言葉すらなかったので、学校に行ってない私に対して何も対処されることはありませんでしたね。



YUUKI:ご両親から学校に行くよう言われましたか?

菅澤:父親には「気合が足りねえ」とか「根性がねえからそうなるんだよ」って言われて。父親の不登校に対する理解は全くありませんでしたね。

学校に行きたくないので、ゲーセンとかで暇を潰すようになっていたのですが、ある時学校から家に電話が入ってゲーセン通いが母親にバレたんですね。その時母親は、「行きたくないなら行かなくてもいい」と言ってくれて。

母親は私への理解が多少ありましたね。


不登校時代の過ごし方

YUUKI:日中はどう過ごしていましたか?

菅澤:不登校と言っても学校側から登校するようには言われていたので、カウンセラーの先生が付いた「特別教室」には通ってました。



YUUKI:今で言う、「別室登校」ですね。

菅澤:はい、それで別室登校だった時は、一緒にそこに通っていた友達が登校時間になると家に迎えに来てくれるようになりました。

その友達は空手を習っていたので、一緒に空手をするようになりましたね。


周囲の視線は気にならなかったのか?

YUUKI:私は不登校の時、周囲の目線が気になって学校には行けても教室には入れなかったのですが、菅澤さんは周囲の目線は気になりませんでしたか?

菅澤:自分は転校してきた身なので、周りの同級生は知らない人ばかり。その為、周囲からの視線に「きまずさ」を感じることはありませんでしたね。

ただ、昼に給食を運んできてくれる子がいるんですけど、知らない子が持ってきてくれた給食を受け取る時は気まずかったですね。だから「給食要らない」「運んでこなくていいよ」って言って。



YUUKI:本当は食べたかったですか?

菅澤:いえ(笑)皆が帰る下校時間帯も周りに人がいて嫌だったので、わざと昼食前に帰ったりしていましたね。

「周囲の視線」が気になるというより、知らない人とコミュニケーションを取るのが嫌で、学校の人を避けるように行動していたんです。



YUUKI:気まずいというより、知らない人と関わりたくなかったんですね。

菅澤:そうですね。



YUUKI:別室登校は卒業まで続いたのでしょうか?

菅澤:はい。普段は嫌々学校に通って、帰りたくなったら帰る。暇な時はゲーセンに行って暇潰したり。このような生活サイクルを中学卒業まで続けました。卒業式だけは出ましたね。





YUUKI:私が大人になった今、当時の同級生と思い出話をすることが出来ず、とても疎外感を感じるのですが、そういった経験は大人になってありましたか?

菅澤:それはとてもわかります。私は転校した身なので、子供の頃から一緒に過ごしてきた仲間がいないので寂しいという気持ちがあります。

大人になってから「実は同級生だった」みたいな人と会って仲良くなったこともありますけどね。


アルバイトは苦労の連続だった

YUUKI:中学卒業後は就職したのでしょうか?

菅澤:はい、中学卒業後は数多くのアルバイトを経験しました。

まずケンタッキーのアルバイトに就いたのですが、中学の時と同じように周りに上手く馴染めず、いじめにも遭いました。店長にシフトを操作されたりして。そこは4ヶ月程度で辞めましたね。次に工場で働きました。



YUUKI:工場の仕事は順調でしたか?

菅澤:いえ、その工場で働いていた人達とは仲良くなれたのですが、仕事内容が性に合わなくて、1ヶ月で辞めました。それからは、配送関連の職に就きました。

そこも4ヶ月で辞め、次は友人から誘われたラーメン屋で働き始めました。ここでは割りと順調だったのですが、1年ちょっと経つとラーメン屋自体が無くなってしまって。

それで、ずっと誘われていた成田空港に就職する経緯に至ったんですね。



YUUKI:不登校だったことや中学卒業後すぐに職に就いたことで、苦労したことを教えてください。

菅澤:アルバイトで苦労したことは沢山あります。例えば、職場までの交通手段。

自分は早生まれだったので、中学卒業したての時はバイクの免許を取れず、職場まで自転車で通うしかありませんでした。自宅から職場まで遠かったので、親に送り迎えしてもらって。当時は親にも迷惑掛けましたね。

不登校だから苦労したってことはないですね。強いて言うなら、職場に馴染めなかったぐらいです。


成田空港の職場で今の核となる自分が出来た

YUUKI:成田空港にはどのような経緯で就職したのでしょうか?

菅澤:先に就職していた先輩からの紹介で入ったので、学歴不問というか、もう面接の時点で内定が決まっていました。面接で制服のサイズ測ったりとか、シフトを決めたりしていたので。

成田空港の職場には何万という人が勤めていました。私の仕事はその現場を仕切ることでしたから、とにかく大変です。自分の親と同じくらいの年齢の人に指示を出したりして。

癖があって扱いずらい人に対してのアプローチの仕方とか、色んな人との接し方を学ぶのにとてもいい機会でしたね。



YUUKI:成田空港には約6年間勤められたそうですが、これまでのアルバイトと違い、長く勤めることが出来た理由を教えてください。

菅澤:今まで働いてきたアルバイト先とは違い、先輩からの紹介で入ったのでそれこそ下手なことが出来ず、文字通り人の三倍ぐらい働きました。

仕事の内容はなんでも屋さんみたいな感じで、車椅子を押したり、一個32kgぐらいする荷物を持ち上げて運ぶこともザラ。筋肉が断裂するぐらい働いて、病院送りになったこともあります。

それでも周りに追いつこうと必死に働いて、仕事を自分のものにしていったのです。



YUUKI:いわゆる人生の転機だったのでしょうか?

菅澤:そうですね。人生の転機というか、この職場で今の核となる自分が出来たのかな、と思います。


学歴ではなく人間力を磨いてほしい

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ご成約したお客様の写真



YUUKI:世間では中卒だと就職が厳しいと言われています。私のブログ読者にも、学歴がない方はいると思いますが、ご自身が中卒であることに負い目を感じたりしませんでしたか?

菅澤:僕は自分に学歴がないからと言って、引け目を感じたことは今まで一度もありません。

学歴ないですけど、だから何?

って話です。そんなの、ただ先入観で物事を判断している人の見方じゃないですか。仕事ではそこじゃなくて、仕事の姿勢だったりとか、仕事が出来るかどうかで評価されます。「学歴俺すげーんだぜ」って言っても、仕事出来なかったら「君要らないんだけど」ってなりますよね。東大出てもコミュニケーションが苦手で、知識は物凄くあるのに、伝える能力が全くなかったら無駄なので。そういう人はやっぱり、大学の博士みたいな、誰とも関わらないような仕事をするしかない。

スキルがあっても、スキルを活かす能力が仕事では必要なんですよ。だから、今の子どもたちには学歴よりも人間力を磨いてほしいですね。

僕は中卒ですが、成田空港の職場の人は殆どが高卒・大卒でした。今学歴が全くない方に関しても、仕事では学歴よりスキルが求められるので、自信持ってほしいです。

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