夜遅くならないと眠れない…朝早く起きると夜まで眠い…
そんな症状が現れる睡眠相後退症候群(DSPS)は、
睡眠障害の患者の内、5%から10%を占めていると言われる大変多い病気です。
不登校児の場合は特に、
DSPSをキッカケに学校に通えなくなったと言う人も多いです。
僕自身も中学生の頃から睡眠相後退症候群でして、これがキッカケで不登校に。
高校時代には非24時間睡眠覚醒症候群(non-24)に進行しました。
➔【非24時間睡眠覚醒症候群とは?】
ずっとこの病気に苦しめられましたので、経験者だから分かる
睡眠相後退症候群の原因や治療法について書いていきます。
中々理解されない睡眠相後退症候群の辛さ
小さい頃から朝に弱く、夕方頃から元気になる体質だった僕はずっと早寝早起きが苦手でした。
中学生になってから次第に夜2時、3時にか寝付けないようになり、
朝も起きれなくなって昼から学校に通うようになります。
そうすると周りの目が冷たいんですね。
「なんで遅れてくるんだ」って。
こっちからしたら「朝身体が動かないんだ」って感じですけど。
勿論、親や先生には分かってもらえず、
「だらしない奴」とレッテルを張られていました。
これが睡眠相後退症候群の辛い所です。
この病気の社会的な認知度はまだまだ少なく、
理解のない人は「言い訳」だと言ってきます。
これはとんでもない間違いです。
僕は周りにこの辛さを分かってもらえないまま、
不登校になってしまいました。
睡眠相後退症候群とは?
睡眠相後退症候群(DSPS)とは、概日リズム睡眠障害の一種で入眠と覚醒の体内時計が、自分が理想とする時間よりも慢性的に遅れており
社会生活を送る上で支障が出る睡眠障害のことです。
➔【4つの睡眠障害からなる概日リズム睡眠障害について】
通常の人間の体内時計であれば、入眠が23時~2時頃、
起床時間が午前6時~9時頃ですが、
睡眠相後退症候群に罹ってしまうと
入眠が3時~6時、起床が11時~2時頃と
体内時計が数時間遅れてしまうんです。
睡眠相後退症候群に罹っている人が無理に7時に起きたりすると、
午前中はぼーとして体調を崩したりしてしまいます。
また、早く寝ようと思っても中々寝付けないことが多いです。
しかし、一度睡眠に入ると問題はないし、一日二日起きようと思えば起きれるので
周囲からは「だらしないだけ」と誤解されることが非常に多い。
僕自身も睡眠相後退症候群に罹った状態で早く起きようと何十回も努力しましたが、
一日二日は無理やり起きてても結局元に戻ってしまいました。
では、一体どのような原因で睡眠相後退症候群に罹ってしまうのでしょうか?
睡眠相後退症候群の原因は元々の体質?
様々な要因が重なって睡眠相後退症候群になりますが、よく言われてる原因としては、慢性的な夜更かし、
深夜のスマホ・パソコンの利用などです。
しかし、僕の経験談から言わせてもらうと
皆これが原因で睡眠相後退を発症するのか?と疑問を持ちます。
というのも、今の子供達は皆スマホを持ち、夜遅くまでLineやTwitterをやっています。
でも、皆が睡眠相後退を発症する訳ではありませんね。
これはおかしい。
そのことを睡眠科の先生に聞いてみると、
人によって概日リズム(体内時計)の周期は違う
と仰ってました。
例えば、ロングスリーパーやショートスリーパーと
言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ロングスリーパーとは通常の人より長く寝ないと疲れが取れない(10時間以上)人のことで、逆にショートスリーパーは短い睡眠時間(6時間未満)でも大丈夫な人のことです。
僕も10時間は寝ないときついですからロングスリーパーの部類に入りますが、
これも結局は人によって体内時計の周期が違うから理想の睡眠時間に差がでる訳ですよね。
つまり、元々の体質によって睡眠相後退症候群の罹りやすさは違う
んだと思うんです。
思えば、僕も夜にパソコンを少し触っていましたが、
深夜までずっとパソコンとにらめっこしてるって訳ではありませんでした。
それなのに睡眠相後退症候群を発症。
僕の場合、始めて睡眠科の医師に診てもらったのは高校三年の頃でしたが、
その際「自律神経の副交感神経と交感神経が乱れやすい」ことが原因で、
この病気に罹ったと診断を受けました。
睡眠相後退症候群を発症してる子どもの多くが
自立神経の乱れからなる起立性調節障害を発症していると言われてるように、
元々の生活習慣ではなくこういった別の病気が原因となって発症してる可能性も高いです。
➔【起立性調節障害は不登校児に多い!朝起きられない症状が辛い】
自律神経は全身の器官をコントロールしてますから、バランスが崩れると
睡眠にも影響しやすいんだそうです。
睡眠相後退症候群の対策方法は?
だから、まだこの病気に罹っていなくとも、朝起きるのが苦手だな~と感じてる方は要注意です。
仕事や環境の変化で睡眠相後退症候群になる可能性が高いです。
普通の人であれば数日夜更かししても体内時計を戻せますが、
体質である以上、朝起きるのが弱い人達は気をつけなくてはなりません。
この病気にかからないようにする対策として一番良いのは
毎朝起床時に2000ルクス以上の光を20分以上浴びることです。
そうすれば体内時計がリセットされやすいです。
2000ルクス以上の光を浴びるのに、
オススメするのが僕が使ってる光目覚まし時計ですね↓


人体に有害な紫外線が少なく、目覚まし時計なので横になってるだけで
体内時計がリセットされます(僕の経験上です)
ちなみに、こういったルクス数の高い照明を当てることは
睡眠障害の治療の一つでもあります(実際に医師から聞いてます)
NHKでも取り上げられており、信頼性も高いです。
睡眠相後退症候群の自己治療は危険!まずは病院へ
もし自分が睡眠相後退症候群になったと自覚した方はまずは病院へ通うことをオススメします。
メラトニン療法とか色々ありますけど、
自分で診断し、自己治療をすることで
睡眠相後退症候群が悪化する危険があります。
ちなみに僕は高校3年生の時に「気合入れて治すぞ」と
睡眠と起床を一時間ずつ後ろにずらして、
夜22時になった所で固定するという療法を行った所、
失敗して非24時間睡眠覚醒症候群(non-24)に移行しました。
高校生の時は通信制だったので、基本昼に起きていたので
睡眠相後退症候群はまだ大丈夫でしたけど、non-24は地獄です。
これについては別記事をご参照下さい
➔【非24時間睡眠覚醒症候群(non-24)について】
僕の失敗経験もあり、皆さんにそうなって欲しくないので
睡眠相後退症候群だと疑ったらとにかく病院で診断を受けてください。
➔【睡眠障害は病院の何科に行けば良いのか?探し方をご紹介!】
また病院で治療を受ける場合、
長期休暇をしないと様々な弊害にやられ
結局治療が中途半端になってしまう可能性も高い
です。
このことについては、
概日リズム睡眠障害の記事に書いていますのでこちらもご覧ください。
➔【睡眠障害の病気治療は長期休暇が鍵?】